パリのちモスクワ

パリで出逢ったロシア人と10年後にモスクワで結婚。超ロジカルな夫と超うっかりな私の生活、ロシアの魅力。

チェーホフ記念モスクワ芸術座 ゴーゴリ『-外套 がいとう-』②

こんにちは!

 

やっと、やっとゴーゴリの『外套』②を書くことが出来ます!

 

そう、また演目変更になったら・・・と思い、予告してませんでしたが 

ついに昨日観てきました。

 

前回の、悲しくもとんちんかんな物語はこちら。

 

paris-moscou.hatenablog.com

 

昨日は演目変更なし!

 

カメルゲルスキー横丁の角のバレニキ(ロシアの水餃子野菜入り)屋さんで腹ごしらえをして、いざ劇場へ。

 

вареничная NO1  

バレニキ1番っていう感じてしょうか。

とても美味しいです。

http://varenichnaya.ru/

 

そして、もちろん前回同様に迷い、

声をかけてくれたお姉さんに違う別館に案内され、

そこで間違いを指摘されて、やっと新館へ。

 

このくだり、また半年後とかにやりそうですが、

結構ぎりぎりに劇場へ。

いそいそと入ってきた私達に、劇場のお姉さんが、

 

「***1時間40分****!」

 

と言いながら、ドアへ案内してくれました。

 

「え?何?」

 

「*******!」

 

「??まあいいか、ここね!」

 

「わかったみたいね。」

 

「あれ、トイレだねここ。」

 

つまり、

 

「1時間40分 休憩なしだから、トイレ行きたかったらここよ!」

 

ということだったらしい。

 

トイレから一瞬で出てきたのを見て、

 

「あ、やっぱり分かってなかったのね。」

 

と、お姉さん失笑。

 

「こっちこっち」

 

そして、席を探すのにも、おばちゃんとかみ合わず、

 

「この列」

 

「ああ、この列ですね。」

 

「ここ、この列よ!」

 

「だからここでしょうよ・・・。」

 

ちょっと押し問答しつつ、何とか着席。

 

ここは本当に小さなステージで、客席も50席位かな?

 

前から二列目で、ど真ん中。

ステージにとても近い。

 
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ん?50席以上ありますね。

 

私もお友達も、今週までにもう一度本を読み返し、予習は完璧です。結局私は3回目でしたが、毎回驚いたり、ワクワクしたり、主人公と一緒に後悔したりしてしまいます。ゴーゴリさん凄い!

 

始まるまで、こんな小さなステージで、どうやって表現するのだろうとワクワク。

 

始まってみると、

 

え?どのシーンから始まったんだ?

この人たちは誰?

 

と、少々びっくりの演出でしたが、

予習の甲斐あって誰が何を表現しているのか分かり、ついていけました。

 

物語のとおりに進むのではなく、工夫が凝らされていながらも現代的になりすぎない演出で、ゴーゴリ初心者の私達には丁度良く、楽しめました。

 

ロシア語が分かれば、少し俳優さんとの言葉遊びのやりとりに参加出来そうでしたが、そこはまだまだ敷居が高かった。

 

内容は深くお話しませんが、ゴーゴリ初心者の方には、

こちらの劇場の『外套』をおすすめします。

 

チェーホフ記念モスクワ芸術座 サイト

МХТ им. А. П. Чехова

ネットでもチケットの購入が可能です。

 

今回の席は750ルーブル(1400円位)。安い!

 

(他の劇場でもやっているようですが、もっともっと現代風にアレンジされ、ロシア語が理解できない私にはついていけないらしいです。)

 

主役のアカーキィ・アカーキエヴィッチを演じる俳優さんは、数々の映画や舞台で活躍し、テレビでも特集される方で、

Авангард Леонтьев さん。

・・・。

アヴァンガルド レオンティエフ さん・・・かな?

 

何とも冴えなく、ツキのない、哀れな主人公を見事に演じています。

 

毎回思うけれど、もっとロシア語が理解できたなら・・・!

 

また来年あたりにトライしてみようかな。

とにかく、念願の『外套』が見られて、大満足の夜でした。

 
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劇場のホールはこんな感じで、とても素敵でした。昔の俳優さんの写真などもたくさん飾ってありました。

 

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小さい劇場だけど、2階席もあります。これは2階席への階段。

 
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今回の作家ゴーゴリさんではなく、ゴーリキーさんもこちらに。

次は『どん底』読ませていただきます。

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そして最後はもちろんこの人。

劇場近くにたたずむナイスミドルのチェーホフさんです。

いつ見ても素敵ですね。

 

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こちらは、テラス席で賑わうカメルゲルスキー横丁。

 

それでは、また、劇を見たらご報告します。

 

 

 

 

 

なっちゃんのGoogle

こんにちは。

 

モスクワは、だんだん日が短くなり、秋の気配が漂っています。

来週までは、25、6度まで気温があがりそうなので、

もう少し夏気分が味わえればと思っています。

 

さて、今までに数回登場した、私のロシア一番目の友達、

女子大生のなっちゃん

 

高いモチベーションで頑張り続けた結果・・・

 

 

奨学金をもらって日本へ留学することが決まりました!

 

なんと素晴らしい!

一緒に勉強してきた仲間として、これ以上誇らしいことはありません!

 

「留学できそう」

と聞いたのは2月。

なっちゃんの家にお呼ばれをして、ブリヌイをごちそうになった日に

私はお祝いにと、お赤飯を炊いて行ったわけです。

 

そして、お赤飯の説明をしている時に、

「これは、お祝いのご飯です。私は、なっちゃんの留学が決まってとてもうれしい・・・」

と言いかけた時に、

なっちゃんが日本語で、

「お母さんはまだ知らない・・・」と。

 

Почему-------!!(パチェム!=なんで???)

 

びっくりして、

「えーーーー!!ごめん!」

 

でも、私のロシア語もおぼつかないし、お母さんはいまいちピンときていないけど、何となく気づいたか・・・?

 

「たぶん大丈夫。」

と、なっちゃん

 

先に言ってよー。

どうして、親よりも先に私が知ってんの!?

と、後に聞くと、

 

「なんか、言えない。寂しがると思うから・・・」

 

「いや、一年だよ、あっという間だから大丈夫だよ!嬉しいよ!」

 

「喜ぶと思うけど、言えない」

 

というわけで、伝えたのは多分、7月頃だったような。

随分引っ張ったねー。

 

でも、お母さんは泣いて喜んでくれたそうです。

良かったね。

 

そして、それから、日本行きの書類やもろもろが心配で仕方ないなっちゃんは、全て日本語で書かれてくる書類を私の所に持ってきて、

 

「どうしたらいい?」

 

しばらくこれの連続。

ビザの申請で大使館へ行くことや、日本での銀行のこと、

送り返す書類の書き方など・・・。

 

ほとんど自分では読まずに持ってきてましたね。

 

8月にならないと大使館の手続きが出来ないと書いてあるのを

そのまま伝えると、

 

「明日(7月中)行きたかった。どうして8月?」

 

「Я не знваю(私は知らない)。

私は大使館の人じゃないから・・・。」

 

 

「この佐藤さん(大学の担当の人)は女?」

 

「だから、Я не знваю(私は知らない)。 私は大学の人じゃないから。下の名前が無いとわからないんだよ。」

*ロシア語の名前は、苗字で男女の区別がつきます。

 

「どうして、日本へ行く前に自分で授業をえらばなくてはならない?」

 

「だーかーらー。Я не знваю(私は知らない)! 私は大学の人じゃないってー!」

 

なっちゃんは、全て私が知っていると思っている・・・。

 

そして今日は、スカイプで勉強会。

 

「私は、みっちゃんに質問がある。」

 

「(きたきた)、はいはい?」

 

「電圧が違うので、どうしたらいい?」

 

「Я не знваю(私は知らない)。日本からパソコンを持ってきた時、電気屋さんに聞いたら、今のパソコンは大丈夫だと言われた。でも、色々電気屋さんに聞いた方がいいかもね。」

(私は特別、電化製品に疎いので、本当にわからない。ドライヤーとかは日本で買うように勧めました。)

 

「日本でー、Таракан ・・・えーっと、タラカン、日本語で・・・。

(調べて)あー、ゴキブリ!私が行く大学の寮に、ゴキブリはいる?」

 

新しい角度の質問・・・。

 

「大学の寮?寮の事は、Я не знваю(私は知らない)・・・。」

 

「あー、はい。日本で。みっちゃんのアパートに、いた?」

 

「いたよ。こんなでっかいの。」

 

「えーーーーー」

顔を覆うなっちゃん

 

「いるよ、日本。しかも大きくて黒くて、速いよ。」

 

私はとりあえず、現実を教えることにしています。

行ってから、こんなはずじゃなかった・・・とならないように。

 

「食べ物があるところにはいるよ。だから、すぐにやっつけるんだよ。

スプレーを買ってください。」

 

「はい!」

 

「いい?例えば、ここ、壁に止まっています。そうしたら、目を離さないように後ずさりでスプレーを取りに行きます。(全てスカイプ越しに実演しています。)で、ずっとゴキブリを見たままスプレーを構えて、一気にシュー!!!!」

 

なっちゃん両親指を立てて、イイねをしながら爆笑。

 

「はいはい、わかった!」

 

「逃がしたら、寝る時にずっと、今ゴキブリが部屋にいる、と思いながら寝なくてはなりません。」

 

「はい!わかる!」

 

というように、私はゴキブリの退治方法まで事前にレクチャーして、日本へ送り出すわけです。

 

なっちゃんは、

 

「私は、みっちゃんは、何でも知っていると思っています。日本のことも、モスクワの事も、全部みっちゃんに聞きます。」

 

と言いました…。

 

Googleだと思ってる?」

 

「はいはい。」

 

まあ、いいか。

私は決して、日本とモスクワのことに詳しいほうではありません。

 

でも、他の日本人を知らないなっちゃんは、私のポテンシャルの低さを知らずに頼りにしてくれるので、今は、知らない知らないと言いながらも頑張りたいと思います。

 

そして、なっちゃんはきっと、日本でGoogleに値する友達を見つけることでしょう。

 

でも、私にとって一番初めに出来た友達はなっちゃん、あなたです。

いつまでも応援しています。

なっちゃんは、このブログの存在を知りません。)

 

今月の19日に旅立ってしまうので、とても寂しいですが、これからも助け合いながら勉強していくつもりです。

 

年末年始には、日本で会いましょう!!

頑張れなっちゃん

 

モスクワの薬局事情②

こんにちは。

 

実は、ここしばらく目の調子がよろしくありませんでした。

 

私は子供の頃から、視力が良いのが数少ない自慢で、視力はずっと2.0。

調子が悪くても1.5。

 

お年頃なので、視力2.0仲間の間でも、「最近見えにくい」なんて話も

ちらほら出てくるようになりました。

 

視力の良い人には分かると思いますが、視力が落ちたなんて、絶対に認めたくない。簡単に認めるわけにはいかないのです。

 

だから、「今日はなんかちょっと霞むな。疲れてるんだな。」

 

で、ごまかしごまかし生きています。

 

ブルーライトカットの眼鏡や、疲れ目用の点眼などして・・・。

 

 

で、今回何が起こったかと言うと、実は視力ではなく、目の周りにトラブルが・・・。

 

朝起きたら、左のまぶたと右目の横が赤くかぶれて、少し腫れていました。

でも、ちょっとした肌トラブルだし、病院に行くのは大変だから、とりあえず保湿して過ごしていました。

 

でも、良くも悪くもならない。

たまに良くなって、また戻ったり。

朝は腫れてても、昼間は良くなったり。

 

そんな感じで数週間過ぎていきました。

 

でも、良くも悪くもならないのが、だんだん面倒になり、そして、何より見た目が悪い。化粧水がしみるし、左右の目の大きさが違うのも、嫌になってきた。

 

で、最近たまたま行った薬局で薬を買った時に、何となく、薬剤師さんの様子が気に入っていたので、そこに助けを求めることに。

 

なんで気に入ったかと言うと、うまく言えないのですが、

ロシアらしく愛想はまったくないし、笑顔もなし。決して感じが良いわけではないんです。

でも、何と言うか、とにかく迷いがない感じの恰幅のいいお姉さんとおばちゃんだったから気に入った。

 

私は、大きい決断は迷わないのですが、ちょっとしたことに迷う優柔不断なタイプなので、迷いが無い人にとても弱い。

 

前回も、頼んだ薬を出してきて、

 

「はい、***ルーブル。2つ?***ルーブル。」

 

で、どういうシステムなのか、お姉さんは何も聞かずにカードを作り、

勝手に割引きされ、

 

「***ルーブル。」

 

(割引カード)

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少し安くなった・・・。

 

「あと、これプレゼント。持ってって。」

 

「え?」

 

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謎のレモン絞り器がおまけでついてきた。

 

「あ、ありがとう。」

 

さらに、おばちゃんが横から、紙袋のバーコードをピッとやっている。

 

「え、私、袋はいりません。」

 

「あぁ、これもプレゼントだから。いらない?」

 

「あ、そうですか。じゃあ、もらっときます。」

 

エンジョイ ユア ビューティーの紙袋・・・。

いつ使おうか。

 

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何かのキャンペーン中だったのか、とにかく笑顔も無いまま、謎のプレゼントが色々ついてきて面白かったから、この薬局が気に入ったのです。

 

前置きが長かったのですが、

それで、今回もあの薬剤師さん達にお願いしようと、わざわざ足を運んだわけでした。

 

あ、あの恰幅のいいお姉さんがいました!

 

「すみません、何かクリームありますか?」

赤くなった左のまぶたを指さしながら。

 

お姉さんは真顔で、

「で?どんなのが欲しいの。アレルギー?」

 

すごい貫禄にたじろぎながら、

「いやー、実はアレルギーなのか、なんなのかわからないんですよ。」

 

医者へ行け、と言われるかと思いきや、

お姉さんはレジからただの一歩も動かずに、

 

間髪入れずに

「これ試して。」

 

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と、下から小さなクリームを出してきた。

まるで私のために準備していたかのようなマッハの速さで・・・。

 

「えっ?あー、アレルギーの薬ですか?これそんなに強い薬じゃないですよね?」

 

真顔で頷くお姉さん。

目の周り用なんだから当たり前でしょう、と言わんばかり。

箱の左側にも、目のイラストが描いてあるし。

 

よし、信用してみよう!

 

「ください!」

 

「飲み薬もあるよ。」

 

「おっ・・・、とりあえずクリーム試してみます。」

 

「***ルーブル。」

 

こないだお姉さんが勝手に作ってくれたカードを出してみる。

 

ピッ。

 

「***ルーブル。」

 

あ、安くなった。

 

「ありがとう、さよなら!」

 

私だけ元気に挨拶し、帰宅。

 

早速塗り始めて3日、まだ完治はしていないけど、明らかに症状が改善されてきている・・・。

 

恐るべし、ロシアの薬剤師。

 

こういう人間観察が面白くて、ロシアはやめられない・・・。

 

西本智実さんのコンサート再び②

 こんにちは。

 

昨年11月に聴くことが出来なかった西本智実さん指揮のコンサート。

7か月待ちに待ったコンサートが6月28日、マヤコフスカヤ駅のチャイコフスキー記念コンサートホールで演されました。

 

前回涙をのんだ時のエピソードはこちら。

コンサートホールの中の様子もこちらに載せています。

 

paris-moscou.hatenablog.com

 

『パスポート水没事件』で気が休まらなかった時期ですが、

こればかりは逃せません。

何か月も前からチケットをチェックし、前回一緒に行ったお友達を誘って、早々と購入しておりました。

 

今回の演目は、チャイコフスキー交響曲5番と6番!

ピアノやバイオリンとの協奏曲ではなかったからか、チケットはとっても安く、いつもの席が800ルーブル(約1500円)。

何とも、申し訳ないような気持ちで購入。

 

そして、パスポートの事で右往左往しているうちに、当日。

 

今回は、本当に聴けるのだろうか・・・。

と思いつつ、心躍らせながら会場入りしました。

 

そして、いつもの席に着こうとしたところ、

「イポーンカ(日本人女性)」という単語が耳に入りました。

 

私は、

 

そうそう、今日の指揮者は日本人女性だもの!

 

と、通り過ぎようとしたところ・・・

 

私「あー!」

 

ロシア人のおじさん「やっぱりー?覚えてる?」

 

私「もちろん!」

 

ロ「久しぶりだね!」

 

というわけで、

 

2016年冬の西本さんのコンサートの時に隣になったおじさんが、

また奥様と一緒にいらっしゃっていたのです。

 

そして、またお互いにいつもの席。

 

その時のエピソードはこちら。

コンサートホール周辺の様子をこちらに載せています。

 

 paris-moscou.hatenablog.com

 

 

興奮ぎみの私達に、周りの人達はちょっと唖然。

 

それから、開演まで世間話をしました。

(お友達はロシア語が話せたので。良かった!)

 

こういうのも、また楽しい。

 

そして、開演!

 

良かった、今日は本当に西本さんだ。

 

演奏が始まると、耳はもちろん、目が離せない。

私はいつも、オーケストラを観察してしまうのですが(特に打楽器)、

とにかく、指揮から目が離せない。

 

何て言うか、華がある?というのもピッタリの表現ではないんだけど、

彼女の躍動する姿に惹きこまれてしまうのです。

キラキラした光があふれている感じというか・・・。

言葉にすると安っぽくなってしまうので、いつかチャンスがあったら、

是非コンサートに行ってみてください。

日本でももちろん演奏がありますしね。

 

(しつこいですけど、演奏中は写真も動画も撮影禁止です。

もちろん、携帯で撮った写真や動画で伝えるのは難しいし、

何より、スマホ画面の光は演奏を楽しんでいる観客の皆さんの

邪魔になってしまうのです。)

 

私にとっては、1年半ぶりの待ちに待ったコンサート。

思い入れが違ったわけです。

 

そして、拍手が鳴りやまないのも、日本人として誇らしく、

本当に感激しました。

 

特に、感激だったのは、

いつもはコンサートが終わると、さっさと帰ってしまうお客さんが多いんですが、今回は、皆なかなか帰らないし、拍手が鳴りやまない。

 

これは、本当にいつもと違っていました。

日本人のお客さんが多かったから、と言うのではないんです。

 

ロシア人のお客さん達が、ステージの近くに集まって、

「ブラヴォー!」の声も拍手もなかなか終わらない。

 

そんな中、西本さんが素敵だったのは、

とても謙虚な態度で応じていたこと。

 

決して真ん中に立たず、

オーケストラに敬意を表する態度で、ご自分も拍手を送ったり、

何度も控えめにお辞儀をされました。

「演奏したのは、オーケストラの皆さんですから。」

とおっしゃっているような感じがしました。

 


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演奏中の力強い堂々とした姿と、演奏前後の謙虚な姿。

本当に素敵だと思い、ますます好きになってしまいました。

 

そして、また前回同様、勇気をいただきました。

 

しばらくモスクワに来る予定はないようなので残念ですが、

前回もそうだったように、何かしら私がピンチの時に会えそうな気がしています・・・。

 

ピンチはあまり楽しみじゃないですけど、

西本さんの演奏に出会えるなら、まあ、いいか・・・。

 

 

これからも、世界中に素敵な演奏を届けていかれるのを、

楽しみにしています!

 

【おまけ】

ちなみにロシア人のおじさんは、コンサートの後、私達に色々話しかけている間にさっさと帰ってしまった奥さんに、道でキレられていました・・・。

 

なんか、ごめんなさい。

奥さんと末永く仲良くしてください。

 

『らりるれろ 』と『 R 』の壁

 

 

こんにちは。

 

ちょっと、出来心で夕食時にホワイトビールなど飲んでしまったので、

今日はちょっと軽めの話題を。

 

あまり飲めないので、500mlを必死に飲む感じで、半分ほど飲んだところですでに真っ赤です。

 

さて、日本人が外国語を習得する際にぶつかる壁。

R の発音。

 

その高い壁、ロシア語にも、もちろんあります。

ロシア語のキリル文字では、

R = Р と書きます。そう、ローマ字のピーと同じ。

 

なので、例えば、

(日)レストラン=(英)Restaurant=(露)Ресторан

となります。

 

モスクワに来たばかりの時は、

街中に書いてある 『Ресторан レストラン』 を見ては、

「ペクトパン・・・?ペクトパンいっぱいあるな。なんだろな。」

 

そんな私も、お陰様で今では、Р は R としか読めなくなりました。

 

実は私、幼い頃からいわゆる『巻き舌』が出来なくて、

なんとも悔しい思いをしてきました。

 

どんなに練習しても、「るーるるるる」となってしまうのです。

大人になってから知ったのですが、これは生まれつきの遺伝で、

出来る、出来ないは決まっているそうです。

学校で医師に習ったので多分正しいと思います。

 

ですから、R の発音は、フランス語ではごまかしていたし、

ロシア語でも出来ません。

ふざけているくらいの感じで言えば、何とか通じることもある程度。

 

そして、最近ぶち当たった壁。

 

それは、マクドナルドのソフトクリーム。

29ルーブルなので、60円弱。

アイスクリームより、ソフトクリームが好きだし、

小ぶりで安いので気に入っています。

 

 
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でも、もちろん商品名は『ソフトクリーム』ではありません。

 

商品名は、『Вафельный рожок』。

日本語で言ってみると、

『ヴァッフェリニィ ロジョック』かな?

ロジョックは、角 という意味なので、

『ワッフルコーン』といったところでしょうか。

 

でも、『ロジョック』が、とにかく通じない。

1回目にチャレンジした時、

 

「ろーじょっく ください!」

 

「え?」

 

「ろーじょっく・・・」

 

「え?もう一度・・・」

 

「ろじょっく? え? ろーじょく?」

 

「????」

 

悔しいが、お兄さんの後ろに積んであるコーンを指して、

「ほら、その、ちいさいアイスください」

 

「あー、ロジョック!」

 

だから、言ってるじゃないか・・・。

 

でも、発音の壁は厚い。

 

そして、日を改めて2回目。

今度こそ!と、大きな声で、

 

「ろーじょっく! ぱじゃーるすた!(どうだ!)」

 

注)パジャールスタ=お願いします

 

「ん?」

 

「ろじょっく?ろーじょっく?(またかいな・・・)」

 

「ごめん、わからない・・・。」とお兄さん。

 

「アイスください。(手でコーンを持つジェスチャー)」

 

「あー、ロジョック!」

 

だから・・・、何度も言ってるじゃぁないですか。

 

肩を落とし、すごすご退散しそうになったその時。

でも、これでは成長できない!

と思い、優しそうなそのお兄ちゃんに、

 

「これ、なんて言えばいいの?」

レッスンをお願いしてみました。

 

笑顔で、「ロジョック、ロジョック!」

 

「るるろじょっく」

 

「いや、ロジョック!」

 

「どぅるるろじょっく!(イメージ)」

 

「そうそう!」

 

恥を忍んで、トレチャコフスカヤ地下鉄駅前の大繁盛店のカウンター前で、

発音を習得。

 

そして・・・

今日!

 

3回目のトライ。

 

「どぅるるろじょっく ぱじゃーるすた!」

 

「はい、29ルーブルです。」

 

おー!一発で通じました!

 

もう、嬉しさで満面の笑顔。

必要以上に笑顔で「ありがとう!」

と言うと、

つられたお兄ちゃんも必要以上の笑顔。

 

モスクワでも、マクドナルドのお兄ちゃんの爽やかなスマイルは、

やっぱり0円でした。

 

成功体験により、ご機嫌で帰宅。

 

と言うわけで、いつも飲まないビール。

になったわけでした。

 

それでは、おやすみなさい。

 

 

パスポート〇〇事件

こんにちは。

 

さて、心が持ち直したので、元気に書いています。

 

子供の頃から、作文と読書感想文が大好きで、

文章を書くこと=心地良いこと。

 

心の状態とはっきりリンクしてしまうのが情けないのですが、

心地良いことは、なるべく続けられるようにしたいと思っています。

 

さて・・・

 

今回のうっかりミス。

それは、『パスポート』に関するうっかり。

 

私は、日々パスポートをなくさないように心がけてきました。

自分のうっかりを飽きるほど経験してきたから。

 

百均のポーチにビヨーンと伸びるストラップを付け、

カバンにクリップで止めて対策していました。

 

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なのに、なのに、

 

そんな角度でくるなんて。

 

友人には、「ちょっと聞いたことない」とか、

「どうしてそんなことに?」などのお言葉をいただきました。

 

私の思惑通り失くしてはいないんです。

でも、

こんなフォルムになってしまったのです。

 
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全ページパキパキで、ものすごく厚い…

 

そのきっかけはこれ。

 

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お正月の一時帰国で、母にもらったこれ。

冬場もあったかいお茶が飲める!

 

でも、こんな公式があったなんて・・・。

 

リュックサック + パスポート + (水筒 − パッキン) 

= パキパキのパスポート

 

パッキン分かりますか?

 

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この、蓋についているゴム。

これが無いと、横にしたらお茶は全部出ちゃいます。

 

そして、ある冬の週末、

仕事へ行く前に、水筒にあったかい紅茶を入れて準備。

(この時、もちろんパッキンをつけ忘れています。)

 

リュックに仕事道具を入れて、パスポートをクリップ止め。

靴を履いて、水筒をポイッとリュックへ。

ポイッと・・・。

 

鍵を閉めながら、

「今日も寒いだろうな。でも、なんか、背中がじんわり暖かいな。」

と思っていました。

 

たまにありませんか?

体の一部が、自然にじんわり暖かい事。

 

で、エレベーターホールまで移動したところで、

いよいよ暖かい。

 

「ん?」

 

背中を触ってみる。

濡れてる。暖かい。いや、温かい。

 

・・・お茶だね、コレ。

 

走って家まで戻り、リュックをおろして急いで荷物を出す。

 

仕事道具の本  =濡れてる

お気に入りの手帳=濡れてる

コート     =濡れてる

パスポート   =ポーチに入ってる よし!

 

ん?何かおかしい。あ、袋の前面は布だった・・・。

 

パスポート   =も、濡れてた・・・

 

急いでタオルで拭いて、広げて乾かしてみる。

 

写真のページは大丈夫だ。よかったー。

読めるし大丈夫。

 

と、とりあえず仕事へ。

 

そして、その後1、2か月は、そのパキパキのパスポートと一緒に

過ごすことになりました。

 

毎日、5リットルの水の下に下敷きにして、

できるだけ薄く、平らに、と願いながら・・・。

 

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ここはロシアなんで、

ブルガーコフの小説『巨匠とマルガリータ』を上に乗せてみたりして。

 

まあ、これをしたばっかりに、

玄関に置いているにもかかわらず、

何度もパスポートを忘れて出かけるわけなんですけどね…。

 

こうして、パスポート水没、いや、茶没事件は始まったのでした。 

 

 

つづく

 

 

お久しぶりです・・・

 

こんにちは。

大変ご無沙汰しております。

 

なぜ、こんなにも時が経ってしまったかというと、

またもや、持ち前のうっかりミス発動により、

対応に追われておりました・・・。

 

今回は、個人的にはかなり深刻なことになってしまったのですが、

ただ、やはり、アエロフロート事件のような派手さは無く、

私の想いが皆さまに伝わるかどうか。

でも、ブログに手が出ないほど、打ちひしがれておりました。

 

 

あのアエロフロート事件はこちら(もう2年も前のことなんですね・・・)

paris-moscou.hatenablog.com

 

 

でも、私のようなうっかりさんは、きっとどこかの空の下におられるはず。その方々のためにも、私の失敗談で苦笑いしつつ、注意喚起になればと恥を忍んで綴りたいと思っております。

 

コメントを頂いた方に返事も出来ず、申し訳ありませんでした。

打ちひしがれては立ち直りし、今に至りました。

 

最終のブログから5か月も経ったんですね。

芸術部門のブログが乗ってきたところでクラッシュしてしまって、

非常に残念でした。

 

でも、色々な意味で、新たなスペックを搭載して復活しますので、

よろしくお願いします。

 

次回、事の成り行きをお伝えしたいと思います。