パリのちモスクワ

パリで出逢ったロシア人と10年後にモスクワで結婚。超ロジカルな夫と超うっかりな私の生活、ロシアの魅力。

チェーホフ記念モスクワ芸術座  ゴーゴリ『-外套 がいとう- 』①

 

こんにちは。

 

前回、「明日はゴーゴリを観に行きます!」と書きました。

そして、昨日。

待ちに待った『外套』。

 

私は年明けから、ゴーゴリにはまっていました。

『外套』は、『罪と罰』同様、昨年に一度読んでいました。

前回は岩波文庫で読んだのですが、

「いま、息をしている言葉で、もういちど古典を」

のコンセプトであらゆる古典を新訳している、光文社古典新訳文庫でも読んでみたくて、図書館で借りて読みました。

かなり斬新な新訳でした。こればっかりは好みなので、良い悪いではありませんが、私個人としては、『外套』に関しては、岩波文庫の訳のほうが好みでしたので、さらにもう一度、岩波文庫で読みました。

計3回ですね。短い話なので全く苦ではありません。

 

2月28日にこの劇場でやる事は知っていましたが、気づいた時には満席。

チケットは取れないまま、万が一のために何度もチェックしていました。

 

そして、10日程前に1席だけ空きが出ました!

すぐに購入。それからずーっと心待ちにしていました。

 

主人公の役人、アカーキー・アカーキーエヴィチ・バシマチキンが、どんな風に演じられるのか。私の中でイメージは出来上がっています。

ぴったりなのか、期待以上なのか・・・。

 

劇場の新館、席数も少ない小さな舞台ですから、間近で観ることができます。俄然、期待は高まります。

 

少し腹ごしらえをして、チケットを手に劇場へ向かいました。

この劇場は初めてなので少し離れた新館がわからず、極寒の中チケットを売っているダフ屋のおばちゃんに場所を尋ね、無事に入場。

この劇場は、本館、別館、新館とあります。

 

【本館】

 

【別館(小ステージ)】

 

【新館】

今回私が行ったのはここ。

 

下のお姉さんに、『外套』は2階だと言われ、持ち物チェックを通って2階へ。

 

そして、劇場のお姉さんに、挨拶をしてチケットを渡しました。

すると・・・

お姉さん「知ってますよね?」

私   「何が?」

お姉さん「今日、『外套』は中止ってこと。」

私   「えー!何で???」

お姉さん(首をすくめる)

 

これは、中止ったら中止。ってことですね。

 

私   「で、何やるんですか?」

お姉さん「******。」

私   「私、それ知らない・・・。『外套』しか見たくないから・・・。」

お姉さん「じゃあ、チケット売り場に行ってくださいね。」

 

こんなことって・・・。

いや、あるんです。こんなこと、あるんですけど、本当に楽しみだったのでショックで・・・。

 

とぼとぼ降りていって、荷物チェックのおじさんに、

私   「『外套』やらないんだって・・・。」

おじさん「だからさっき言ったでしょー。」

私   「そっか、私分かってなかったー。チケット売り場ここですか?」

おじさん「チケット売り場は外出て右ね。」

私   「ありがとう。」

 

おじさんは、『外套』を観る気満々の私に、今日は変更だって教えてくれていたんですけど、私はおじさんの言葉の中の、『外套』だけ聞いて、

「そうそう私、『外套』観るんだー。」

と、全然理解していなかったのです。

 

チケット売り場で返金処理をしてもらい、帰宅することに。

「サイトで買ったでしょ?カードに返金するから、書類に、名前と電話番号とパスポート番号書いて。」

と言われたんですが、今日に限ってパスポートを忘れていて、ついてないなー、と思い、

「今日パスポート忘れちゃったんです。」

と言ったら、

「・・・・。じゃあいいわ。」

え?いいの?なんだそれ・・・。まあいいか。

というわけで、手続き終了。

 

【チケットカウンター】

ただでさえ会話が難しいのに、窓口のマイクの調子が悪く、途切れ途切れなので大変でした。

 

チケット売り場の横には、『カフェ チェーホフ』があります。

うっすら覚えているのですが、10年ほど前に旅行で来た時に、ここで一人でボルシチを食べたような・・・。

もちろんロシア語は話せないし、フランス語は通じないしで、「ボルシチ!」と言ったら優しいお兄さんが対応してくれました。懐かしい。

 

【カフェ チェーホフ

 

転んでもただでは起きない私は、近くにある、私の好きな場所へ。

伝説のバレリーナ マイヤ・プリセツカヤさんの銅像と壁画がある小さな広場。

 

プリセツカヤさんの壁画】 

白鳥の湖ですね。モスクワに来てからずっと、私の携帯待ち受けにしています。

寒すぎて、うまく撮れませんでした。

 

【昨年建てられた、プリセツカヤさんの銅像

演目は『カルメン組曲』ですね。大きな花の髪飾りが印象的でした。かっこいい!

 

それにしても、この冬一番かって程の寒さで、おそらく-20度以下でしたので、手袋をとって写真を撮ったら一瞬で指先に激痛が。

そそくさと地下鉄へ向かい、次回は絶対に『外套』観るぞ、と決意を新たにしました。

 

というわけで、今日は観れなかったです。というお話でした。

また、新しい体験ができたので、レベルがひとつ上がったということにしておきます。

 

最後に、劇場がある カメルゲルスキー横丁の写真をお届けします。

キラキラできれいです。

 

チェーホフさん】

わかりますか?以前にも登場しました。右にいらっしゃるのがチェーホフさんです。素敵。

 

paris-moscou.hatenablog.com

 

 

【カメルゲルスキー横丁】

飲食店が並び、にぎやかな通りです。

 

あ・・・。今、チケット代の750ルーブル(約1500円)が銀行へ返金されたというメッセージが入りました。

(これ本当です。凄いタイミング。)

きりが良いので、この辺で。

 

明日は、オーケストラ(バイオリン、ピアノソロ)のコンサートへ行ってきます。

 

チェーホフ記念モスクワ芸術座 サイト

МХТ им. А. П. Чехова