パリのちモスクワ

パリで出逢ったロシア人と10年後にモスクワで結婚。超ロジカルな夫と超うっかりな私の生活、ロシアの魅力。

陰日なた無く

 

今回は番外編、ロシアとは全く関係ありません…。

 

 

私は今日本に一時帰国中で、生まれ故郷、石川県の金沢に帰省しています。

 

金沢は、北陸新幹線が開通してから、観光客が凄い勢いで増えました。

海外の方々も沢山観光に来ています。

その流れで、安くて手軽なゲストハウスも増えて、とても賑わっています。

 

私は金沢が大好きです。

 

今日は、金沢の大人気スポット、

金沢21世紀美術館に行ってきました♡

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https://www.kanazawa21.jp/

 

お目当は、山下清展。

そう、裸の大将 のモデルになった、放浪の画家、山下清さんです。

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いや、本当に久しぶりに、観てよかったー!と、心から思いました。

 

彼は、先天的では無く、幼少期に重大な消化不良を起こし、知能と言語に後遺症が残りました。

 

それが原因で、小学校でいじめられてしまい、知的障害児施設 八幡学園へ転校し、貼り絵に出逢いました。

 

今回の展示には、作品の横に、清さんの日記や文章が添えられていて、それが、本当に素敵☆

 

 

その感覚が可愛らしすぎて、ついつい笑ってしまいます。

純粋な子供の頃の感覚って、こんな感じだったのかなあって感じです。

 

 

大半の人が、笑ったり吹き出したりして、笑顔になっていました。

 

 

感心したり感動したりする展覧会はよくありますが、皆んなが笑っちゃう幸せな展覧会って珍しい。

 

 

有名な貼り絵「長岡の花火」の前では、繊細さと美しさにゾワゾワーっとしました。

 

「みんなが爆弾なんかつくらずに きれいな花火ばかりをつくっていたら きっと戦争なんか起きなかったんだな」

 

と、清さんは言っていました。

 

 

私が1番グッと来たのは、放浪日記の中の文章で、働かせてもらっていた所で言われたという言葉。

写真は禁止だったし記憶力が悪すぎて、文章は合っていないけど、こんな感じ。

 

人の四分の一しか仕事が出来ないから、本当は雇うのは難しいのだけれど、清は、本当に陰日なた無く一生懸命働くなあ。これからも一生懸命働いてな。

 

 

人が見ていようと見ていまいと、変わらず一生懸命働く。

 

 

私も陰日なた無く生きる人になりたい。

最近の自分に反省し、早速目標に設定。

 

 

その他にも感心し、考えさせられる言葉が満載!本当に素敵な美術展でした。

 

 

ドラマ 裸の大将の清さんとは、かなり違う部分もある事も分かって、その人となりも本当に興味深い。

 

 

本など読んで、色々知りたいと思いました。

 

 

山下清展、お宅の近くに来た際は、必見です!

ロシアのイメージ

 

 

日本で働いていた職場では、
私が夏休みにモスクワで入籍してきた事を報告した時、
軽くパニックになりました。

 


まず、休憩室でお土産を。

 

「どこ行ってきたのー?」

 

「あ、モスクワに・・・。」

 

「え?ロシア!? なんで??」

 

「あ、彼がロシア人なんで。」

 

「ロ、ロシア人??」

 

「はい、それで、入籍してきました。」

 

「えーーーー!!!」

 

と、まあこんな感じで、休憩室が一瞬騒然となりました。

 


その後、
毎回別の人と数十回繰り返されたくだりはこんな感じ。

 

 

「へえ、ロシア語しゃべれるんだ?」

 

「いえ、全然・・・。」

 

「あー、彼が日本語話せるんだ?」

 

「いえ、全く・・・。」

 

「あー、英語かあ。」

 

「いや、彼は話せるんですけど、私英語苦手で・・・。」

 

「え?じゃあどうしてるの?」

 

「あ、実はフランス語で・・・。」

 

「フ、フランス語!?」

 

と、こうなります。

 

 

そして、
10年前にフランスにワーキングホリデーに行っていた事から説明をする、
という流れになるので、そのくだりを流暢に説明できるようになりました。

 

 


それから、
モスクワに移住する時には、
こんな風に心配していただきました。

 

 


意外に多かったのがこれ。

 

「ロシアって、1年中冬なんでしょ?」


「いや、夏は短いけど暑くなりますよ」

 

 

 


後は、タイムリーだったのがこれ。

「テロとか大丈夫なの?」

 

「そうですね、でも今は世界のどこにいても危ないかなーって。」

 

その頃、パリで悲しいテロがあった直後で、なおさら心配していただきました。

 


それから、


「食べ物とかちゃんと買えるの?日用品とか持って行った方がいいんじゃない?」

 

「足りないものあったら送るよ!」

 

 

という心配の声もありました。
とても有り難いです。

 

 


でも、スーパーも市場もあって、
日本食材はとても高いけれどある程度は買えます。

 


もちろん、
日本の製品の方が便利だったり、
クオリティも高い事が多いけれど、
私は結構順応できるタイプなので、
不自由なく暮らせています!

 

 


やっぱりロシアって、残念ながら、まだまだ、

 

怖い 暗い 寒い! 

 

 

というイメージが強いみたいでした。

 

 

でも、そんなことないんです。
いや、確かに真冬は寒いけど。

 

 

美術館、バレエ、オペラ、音楽、
ロシア文学、美しい教会やお城、
気持ちのいい公園。


それにロシア人は、
無駄にニコニコはしないけど、
優しい人が多いです。

 

 


VISAが必要なのが辛いところだけど、
ぜひぜひ、1度遊びに来てくださいね。

マルシュルートカ デビュー!

 

 

私は乗り物が好きです。

 

が、なかなかひとりで乗る勇気の出ない乗り物がありました。

 

それは、マルシュルートカ。

マトリョーシカと混ざってしまい、

名前を覚えられなかったけど、

由来を調べたら、フランス語の

マルシュ=歩く とか 進む 

ルート=みちのり

を組み合わせたものらしい。

これで、やっと覚えられました。

 

乗り合いタクシーのような小型バスで、

基本ルートは決まっているけど、

好きな所で乗り降りできます。

 

***の横!

とか、

地下鉄の近くで!

とか、融通がききます。

 

 

だからこそ、

うまく話せない私にはレベルが高く、

ひとりで乗る勇気が出ませんでした…。

 

 

しかし!

先日勇気を出すきっかけが。

 

ヨガの後、

普段はトラムという路面電車で帰宅するのですが、

その日は向こうの線路上で、

トラムが立ち往生していました。

 

 

普通なら諦めて、

地下鉄を乗り継いで帰るのですが、

その日は荷物も多く、

乗り継ぎは嫌だ…と思い、

たまたま通りかかった、

マルシュルートカに乗る事を決意!

 

 

走って追いかけ、

止まったところで車内に乗り込んだ。

 

 

運賃は車内に書いてあって、

30ルーブルをタイミングを見計らって、直接ドライバーさんに支払います。

 

 

荷物が多くてグラグラな私に、

おじさんが席を譲ってくれました。

 

 

そして、席について落ち着いてから、

どうやってドライバーさんに頼むのか、どんなルートを通るのか、

ワクワクしながら社会見学!

 

車内はこんな感じ⬇︎

 

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 外観はこんな感じ⬇︎

 

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決してキレイでは無いし、

帰宅したら、ズボンのお尻の一部がオイルか何かで黒くなっちゃってたけど、

乗りこなせたらとても便利!

だから新しいズボンが汚れても大満足!

 

 

もちろん、

家では興奮の大報告をしました。

また1つレベルアップ!

地下鉄の駅の御利益?

 

 

自己紹介にも書いたけれど、

本当に気付いたらモスクワに居て、

たまに、何で此処に?と、

思って笑える瞬間があります。

 

 

色々考えました。

 

そして、最近もしかして…?

と思い当たる節が。

 

 

 

彼と付き合っている頃、

8年前にモスクワに旅行に来ました。

彼は殺人的に仕事が忙しかったので、

彼の姪っ子ちゃんと観光していました。

 

姪っ子と言っても、

彼はお兄さんと歳が離れているので、

もう23歳位だったし妹みたいな感じ。

 

 

バレエを観に行ったり、

ロシアのご飯を食べたり、

地下鉄の駅も案内してもらいました。

 

 

モスクワの地下鉄の駅は、

それぞれ個性があって、とても素敵。

 

いつか、地下鉄の日を設けて、

全部の駅を見て回りたいくらい。

きっと、良い観光になると思います。

 

先日、

Площадь  Революции 

プローシャッド レヴォリューツィ

という駅に、たまたま降りました。

 

ここは、8年前に案内してもらった駅。

 

柱に色々な銅像があって、

その中の、男性と犬の銅像

 

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そう、これ。

 

犬の鼻がピカピカになっているのが

分かりますか?

 

姪っ子ちゃんが、

「犬の鼻や足を撫でながら、願い事をすると叶うんだよ。」

と言いました。

 

 

結構有名な話なので、

この駅では本当に大勢の人が、

次々に犬を撫でていきます。

たまに、少し並んじゃう時も…。

 

 

それで…

 

 

その時確かにお願い事しました…。

 

 

そのお陰かどうかは分からないけれど、

その後いったん別れて、ずっと離れていたのに、

私は今モスクワに住んでいます。

 

 

もし、何かお願い事があったら、

行って撫でてみて下さい。

8年後に叶うかも?

 

モスクワの地下鉄での素敵な出逢い

 

 

昨日、主人と地下鉄に乗っていた時の出来事。

 

ひとつ席が空いて、

主人に促されて座りました。

 

すると、ヨロヨロと1人のお婆ちゃんが乗ってきました。

 

ロシア人は、女性や子供、お年寄りに席を譲る習慣がしっかり身についていて、

いつも先を越されてしまうのですが、

今回は、私が1番に席を譲ることが出来ました!

 

「ありがとう!」と言って、

座ったお婆ちゃんは、カバンをごそごそ。

 

すると、カバンから紙が1枚落ち、

主人が拾ってお婆ちゃんに渡した後、

 

「見た?彼女、フランス語の勉強してる。」

と主人。

 

お婆ちゃんは80歳位。

使い込んだノートには、びっしりとフランス語のフレーズが。

 

C'est vrai.

それは本当です。

 

Ce n'est pas vrai.

それは本当ではありません。

 

Je mange avec ma fille.

私は娘と一緒に食べます。

 

などなど。

 

ノートのフレーズを読んで、

その後ノートから目を外し、

考えている表情。

 

地下鉄での移動時間を使って、

フランス語のフレーズを覚えているんです。

 

それも、ほんの3駅位の隙間時間です。

 

そして、もう1度私に

「どうもありがとうね!」

と言って、降りて行きました。

 

 

何だかとても素敵な光景を見たように思えて、

幸せな気分になりました。

 

 

そしてなぜか、私も初めてスムーズに、

「どういたしまして。」

をロシア語で返す事が出来ました。

 

 

 

私達夫婦は、10年前にフランスで出逢いました。

私は英語が苦手、ロシア語は始めたばかり、

彼は日本語が全くダメ、という事で、

通常フランス語で会話しています。

 

でも、ロシアに移住したのだから、

家でも、もっとロシア語で話せるようになりたいと思っています。

 

 

ロシア人のお婆ちゃんがフランス語の基礎会話の勉強しているのを見て、

学び始めるのに遅いって事は無いんだ!

と勇気付けられました。

 

 

私もいくつになっても、

いろんな事に興味を持って、

学び続けられるお婆ちゃんになりたい。

 

 

お婆ちゃん、

私もロシア語頑張ります!

 

ロシア語が上達しない理由

 

 

私の住んでいるところは、地下鉄の一番端っこ。

 

モスクワには、日本人が沢山住んでいる場所もあるけれど、

この辺には、日本人はいません。

多分、私だけだと思います。

 

なので、近所のお店に続けて数回買いものに行くと、

すぐに顔を覚えてもらえます。

 

それはとても嬉しい事なのですが、

お店の人は、私が何を買うかも覚えてしまう。

 

乳製品に定評がある、イズビョンカ Избёнка では、

始めは、それはもう緊張しながら、

 

「牛乳1本ください。52ルーブルの!」

 

それが通じた時の達成感は忘れません。

 

そして、毎回牛乳を買います。たまにヨーグルトも。

 

 

すると数回目には、

 

「こんにちは!」

「こんにちは、はいはい、牛乳1本ね!」

 

言わせてくれない・・・。

なので、

 

「こんにちは」 「はい」 「ありがとう」 「さようなら!」

 

で済んでしまうのです。

 

「また来てね!」

 

また来るけど・・・。

 

 

 

そして、前々回にも登場したお肉屋さん ミャスノフ  Мясноъ。

 

「こんにちは!」

 

「こんにちは、鶏むね肉4枚?」

 

「そうそう。ありがとう。カードで払いますね。」

「ありがとうね。」

「さようなら。」

 

また喋らないで買い物しちゃった。

 

だから、たまに、

「そうそう、あとひき肉も!」

と、他の物もフェイントで買います。

 

 

さらに、マンションの管理人さん。

 

うちには、週2回、ロシア語の先生が来ます。

その時は、管理人さんに来客がある事を伝えておきます。

 

初めての時は、主人に紙に書いてもらってそれを読んで伝えました。

 

で、当然、3回目には、

 

「こんにちは!明日・・・。」

 

まで話すと、

「先生ね!***号室ね!了解。」

 

・・・喋れない。

 

最近では、合言葉のように、

 

私「こんにちは!」

 

管理人さん「先生!」

 

部屋番号の確認さえ無くなりました。

 

 

皆さん、とても嬉しいけど、もう少し会話させてくれませんか?

 

ロシア印象派美術館オープン!

 

 

5月28日に、新しい美術館がオープンしました。

 

ロシア印象派美術館

Музей  русского импрессионизма

http://rusimp.su/

 

まだオープン前に、車で前を通った時、

「ここお菓子工場だったんだけど、美術館ができるんだよ。」

と主人が教えてくれました。

 

お菓子工場が美術館だなんて、とても興味をそそられた私は、

HPを確認し、いつも通りヤンデックスマップに住所を入力。

 

地下鉄ベラルースカヤ駅からヤンデックスに連れられるがまま、

住宅地の中の道無き道を進む事10分。

到着!

(本当は大通りをまっすぐ行けばすぐだったけど、着いたから良い!)

 

そして、もちろん敷地内で迷う。

 

ガードマンさんを捕まえ、

「お尋ねします。美術館はどこですか?」

(このフレーズも得意)

と、美術館の入口の真ん前で尋ね、

「ここだよ。」

「あ、ほんとだ・・・。」

 

敷地内は、赤レンガの可愛らしい建物があって、

お菓子工場らしさを漂わせていたけれど、

美術館は、白基調の超シンプルで近代的な内装です。

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入場料200ルーブルを支払い、腕にバンドを付けてもらう。

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「2階と3階がエクスポジションです。」

と、たぶん説明され、2階へ。

 

見始めたはいいが、

誰の作品かどこにも書いてない…。

普通入り口の壁に、画家の名前と歴史プロフィールが書いてあるのに。

 

どこにも無い・・・。

慌ててHPやパンフレットをみて、

 

Арнольд Лаховский 

アルノルド・ラホフスキー展

である事を確認。

 

残念ながらラホフスキーを知らなかった私は、

基本情報をネットで調べてから、やっと絵の鑑賞に。

また時間のロス!

 

 

2階から3階へ登ると、画家のプロフィール発見!

 

3階からまわるべきだったみたいです。

 

 人が少なかったのでプロフィール前を陣取り、

英語バージョンを辞書で調べながら何とか読む。

 

1880年キエフ生まれ。

主にパリやアメリカに住み、

世界の国々を旅し、活動していた画家。

トルストイムソルグスキー肖像画を描いた、イリヤ・レーピン、

代表的な印象派画家、アルフレッド・シスレーに影響を受けました。

 

展示には、パリやヴェニスの街並み、

オランダの民族衣装の人々、

ユダヤを題材にしたもの、

ロシアのプスコフ州を描いた絵が多くありました。

 

パリは柔らかい感じ、

オランダは少し強め、

ロシアの風景画は太陽の光が射し、

人物はとてもあたたかい雰囲気で、

場所や題材によっても感じが違って面白かったです。

 

地下には常設展があります。

ロシア印象派について知識が無いので、

誰が誰やら分からなかった…。

少しずつ勉強します。

 

小さな美術館なので、

疲れずに見てまわれますよ。