モスクワの薬局事情②
こんにちは。
実は、ここしばらく目の調子がよろしくありませんでした。
私は子供の頃から、視力が良いのが数少ない自慢で、視力はずっと2.0。
調子が悪くても1.5。
お年頃なので、視力2.0仲間の間でも、「最近見えにくい」なんて話も
ちらほら出てくるようになりました。
視力の良い人には分かると思いますが、視力が落ちたなんて、絶対に認めたくない。簡単に認めるわけにはいかないのです。
だから、「今日はなんかちょっと霞むな。疲れてるんだな。」
で、ごまかしごまかし生きています。
ブルーライトカットの眼鏡や、疲れ目用の点眼などして・・・。
で、今回何が起こったかと言うと、実は視力ではなく、目の周りにトラブルが・・・。
朝起きたら、左のまぶたと右目の横が赤くかぶれて、少し腫れていました。
でも、ちょっとした肌トラブルだし、病院に行くのは大変だから、とりあえず保湿して過ごしていました。
でも、良くも悪くもならない。
たまに良くなって、また戻ったり。
朝は腫れてても、昼間は良くなったり。
そんな感じで数週間過ぎていきました。
でも、良くも悪くもならないのが、だんだん面倒になり、そして、何より見た目が悪い。化粧水がしみるし、左右の目の大きさが違うのも、嫌になってきた。
で、最近たまたま行った薬局で薬を買った時に、何となく、薬剤師さんの様子が気に入っていたので、そこに助けを求めることに。
なんで気に入ったかと言うと、うまく言えないのですが、
ロシアらしく愛想はまったくないし、笑顔もなし。決して感じが良いわけではないんです。
でも、何と言うか、とにかく迷いがない感じの恰幅のいいお姉さんとおばちゃんだったから気に入った。
私は、大きい決断は迷わないのですが、ちょっとしたことに迷う優柔不断なタイプなので、迷いが無い人にとても弱い。
前回も、頼んだ薬を出してきて、
で、どういうシステムなのか、お姉さんは何も聞かずにカードを作り、
勝手に割引きされ、
「***ルーブル。」
(割引カード)
少し安くなった・・・。
「あと、これプレゼント。持ってって。」
「え?」
謎のレモン絞り器がおまけでついてきた。
「あ、ありがとう。」
さらに、おばちゃんが横から、紙袋のバーコードをピッとやっている。
「え、私、袋はいりません。」
「あぁ、これもプレゼントだから。いらない?」
「あ、そうですか。じゃあ、もらっときます。」
エンジョイ ユア ビューティーの紙袋・・・。
いつ使おうか。
何かのキャンペーン中だったのか、とにかく笑顔も無いまま、謎のプレゼントが色々ついてきて面白かったから、この薬局が気に入ったのです。
前置きが長かったのですが、
それで、今回もあの薬剤師さん達にお願いしようと、わざわざ足を運んだわけでした。
あ、あの恰幅のいいお姉さんがいました!
「すみません、何かクリームありますか?」
赤くなった左のまぶたを指さしながら。
お姉さんは真顔で、
「で?どんなのが欲しいの。アレルギー?」
すごい貫禄にたじろぎながら、
「いやー、実はアレルギーなのか、なんなのかわからないんですよ。」
医者へ行け、と言われるかと思いきや、
お姉さんはレジからただの一歩も動かずに、
間髪入れずに
「これ試して。」
と、下から小さなクリームを出してきた。
まるで私のために準備していたかのようなマッハの速さで・・・。
「えっ?あー、アレルギーの薬ですか?これそんなに強い薬じゃないですよね?」
真顔で頷くお姉さん。
目の周り用なんだから当たり前でしょう、と言わんばかり。
箱の左側にも、目のイラストが描いてあるし。
よし、信用してみよう!
「ください!」
「飲み薬もあるよ。」
「おっ・・・、とりあえずクリーム試してみます。」
「***ルーブル。」
こないだお姉さんが勝手に作ってくれたカードを出してみる。
ピッ。
「***ルーブル。」
あ、安くなった。
「ありがとう、さよなら!」
私だけ元気に挨拶し、帰宅。
早速塗り始めて3日、まだ完治はしていないけど、明らかに症状が改善されてきている・・・。
恐るべし、ロシアの薬剤師。
こういう人間観察が面白くて、ロシアはやめられない・・・。