山本との日々
たまにはフランスの話を。
そして、(前回の続き)
フランス語を思い出すべく、大好きなフランスの映画を観たわけです。
それは、
「最強のふたり」
その映画には、アフリカ系フランス人の俳優さんが出ています。
背が高くガッチリと、筋肉がついた身体つき、そして、ユーモアのある独特なフランス語の話し方、声、愛嬌のある笑顔…。
ん?この人知ってる気がする…。
誰だ?
あ、山本!
そう、それは12年前、
ワーキングホリデービザで、フランスに1年住んでいた時に、
パリのフランス料理レストランで一緒に働いていた、山本にそっくり!
声や話し方なんて、もう山本そのもの!
懐かしくて泣きそうになりました。
世の中には、よく似た人がいるもんですね。
山本はマリ出身の生粋のアフリカ人です。もちろん私達は下の名前で呼んでいましたが、一般人なので一応ここでは伏せておきます。
ただ、山本は日本人と仕事をするうちに、"山本"という苗字を気に入って、名乗っていたので、今回は山本でいきます。
初対面で、
「moi(俺) やまもと!」
と言われました…。
山本は、人懐こくて、いい奴でした。
山本は洗い場担当で、その他、ナフキンの洗濯や、ジビエの季節にはイヤイヤ鴨や鳩の羽もぎまでやっていました。
私達2人は洗濯物担当。
地下のワインセラーの奥の洞窟のような洗濯場で、いつも2人でナフキンをアイロンがけしながら、愚痴をこぼし合ったり、ふざけて遊んだり。
時にはフランス語で喧嘩までしました。
初めはフランス語がほとんど話せなかったのに…。
普段、おとなしくて優しい(と思われていた)私が、カンカンに怒って山本との喧嘩しているのを見て、
「あのいつも優しいミチが怒ってる…」
と、
皆んなが唖然としていたっけ。
私が、正しくはないけど、
ある程度話せるようになったのは、
泣いたり笑ったり怒ったりしながら、
一緒にいた山本のお陰かも知れないな。
映画を観て、今はパパになった山本に会いたくなったので、もう一回観ました。
山本、元気かな。
ここに山本はいないけれど、
今、モスクワで私のロシア語を上達させるべく、一緒に頑張ってくれているのは、可愛い可愛いロシア人女子大生のなっちゃん(仮名)。
その話は、次回に。